2001

デビッド・デュバル、ダボを2度打ちながら優勝した唯一のプレーヤー
2001年大会3日目

大会には「ダブルボギーを2度打つとダンロップフェニックスのチャンピオンにはなれない」という伝説がある。事実ダブルボギーを打って優勝した選手はセベ・バレステロスやタイガー・ウッズと数人いるが、44年の歴史の中でダブルボギーを2度打ってチャンピオンになった選手は2001年大会のデビッド・デュバルただ一人だ。デュバルと言えば、1998年にPGAツアー賞金王になり、1999年にはタイガー・ウッズを抜いて世界ランキング1位、ボブホープ・クライスラークラシックでは米ツアーの史上最小ストロークタイの59をマークした天才プレーヤーだ。2001年に全英オープンで優勝を飾ったのち、ダンロップフェニックスに初出場している。初日から6アンダーで首位に立ち、そのまま完全優勝に向かうと終われたが、3日目に落とし穴が待っていた。14番ホールで最初のダブルボギーを叩くことになる。この日は2番でティーショットをミスして左の林、7番ではOBとティーショットが不安定だった。そして迎えた14番ホール。またもや曲げたティーショットは林の中で「前も後ろも右も左も全て木に囲まれたボックスのような状態」だった。7番アイアンでの第2打を木にぶつけ、クラブが折れてしまうハプニング。このホールをダブルボギーとしたが「怪我をしなくて本当に良かった」と胸を撫で下ろした。最終日はそれでも6番からの4連続バーディなどで独走態勢を築くが、相性の悪い14番でボギーの後、17番ではなんと4パットをしてしまい2度目のダブルボギーを叩いてしまった。これでこの日6アンダーで回ってきた手嶋多一に通算15アンダーで並ばれてしまった。しかしプレーオフ1ホール目でバーディを奪って決着、最後は格の違いを見せつけた。「かなりリードしていたつもりだったけど、17番のミスパットで最後は大変な戦いになってしまった。4パットなんて…記憶にないくらい前にやったきりだよ。でもそれがゴルフってものですね」。デュバルは2つのダブルボギーを叩いたがなんとか優勝カップを手にすることが出来たのである。