この事件が起きたのは2008年大会初日のこと。前年5月のマンシングウェアオープンKSBカップでアマチュアとしてプロのツアーで初優勝、15歳245日は世界最年少優勝記録としてギネスに認定された。その後石川は2008年1月10日にプロ転向、2度目の大会出場時のことだった。10番からスタートして、パープレーで折り返した石川は2番ホールでティーショットを右の林に曲げてしまう。「ボールの位置は40ヤード手前から確認できていました」と話す石川は次打をどう打てば林をよけられるか?それだけを考えてボールに近づいていた。そのとき石川は足に松ぼっくりを蹴ってしまったような感触を感じた。次の瞬間、足下を見た石川の表情が変わる。「まさか自分のボールを蹴るとは…」。ボールは20cmほど転がってしまっていた。この行為でペナルティを1打加えて、このホールをボギーとするが、動揺はこれで終わらない。「恥ずかしいのと、そんなことをしてしまったのが同伴競技者やギャラリーの方々に申し訳なくて…6番のティーまで引きずってしまいました」6番までの3ホールの中にはバーディが狙える4番パー5なども含まれていた。試合が終わってみれば優勝したプラヤド・マークセンに1打差の2位、ゴルフにタラレバはないが、この一蹴りがなければ石川の優勝が見られていたかもしれない。