1987年大会2日目のことだ。中村通の1日目は1バーディ、1ボギーの72でイーブンパー31位とまずまずのスタートだった。しかし2日目はまるで別人のゴルフになってしまった。7番のパー5ホールでなんと「10」という大叩きを演じてしまったのだ。ティーショットを左に引っかけてOB、打ち直しをもう一度左にOB、5打目は無事に前へ運んだが、そこからの6打目を再びひっかけて左にOBというお粗末さだった。結局中村は、アウト46、イン38の12オーバー84というスコアで予選落ちしてしまった。ホールアウト後は「何も聞かんといて…」と話すのがやっと、プロ入り以来、初めての46にコースを去る後ろ姿も寂しげだった。ちなみに中村は1974年の第1回大会から前年の1986年大会まで13年連続で予選を通過しており、まさかまさかの大叩きとなってしまった。現在も7番ホールでは中村通の「10」が44年間のワーストスコア記録として残っている。